創薬支援
当社では、抗体開発からコンパニオン診断薬を含めた体外診断用医薬品の開発、PMDA相談、薬事申請、保険適用、製造・販売をワンストップで対応する受託サービスを提供しています。また、JSRライフサイエンスグループとして、新たな治療の開発プロセス全体にわたって、製薬企業、バイオテックに対して、革新的なサービスを提供していきます。さらに、生物由来原料基準に沿った試薬開発受託サービスで再生医療にも貢献します。
コンパニオン診断薬の開発
豊富な体外診断用医薬品の開発経験を活かし、複数の製薬企業と連携してコンパニオン診断薬の開発を進めています。体外診断用医薬品の開発、製造から販売までの一貫した体制を有している点が当社の強みです。製薬企業の多様な要求に応えつつ、患者さんのより良い治療に寄与するコンパニオン診断薬を提供することで、人々の健康と安心な医療の実現に貢献します。
コンパニオン診断薬とは
近年、医薬品開発では、治療効果や副作用発現リスクを予測できる検査法の開発が求められるようになっています。コンパニオン診断薬とは、特定の医薬品を投与するか判断する際に用いる体外診断用医薬品です。コンパニオン診断薬を用いた検査により、治療効果が期待できる患者さんや重篤な副作用の発現リスクが高い患者さんを医薬品の投与前に特定することができます。このため、コンパニオン診断薬は、患者さんの特性に応じた最適な治療法を選択する個別化医療において重要な役割を果たしています。
再生医療等製品原料の開発
近年、再生医療等製品の開発用として生物由来原料基準を満たした試薬のニーズが高まっております。当社は医療機器における品質マネジメントシステムの国際規格(ISO13485)に準拠した生産体制を持ち、生物由来原料基準適合証明書を付したカスタムサービス製品を提供した経験がございます。今後、これらの経験を活かし、現在急成長中のオルガノイド培養用のニッチ因子を中心に、生物由来原料基準を満たす研究用製品のラインナップを拡充します。
生物由来原料基準とは
薬機法(旧薬事法)に基づいて定められた基準です。医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器や再生医療等の製品に使用される原料に、ヒト及び植物を除くその他の生物に由来するものが使用される場合に、それら医薬品等の品質、有効性、安全性を確保するためにとるべき措置が定められています。(原料とは、添加剤,培地等として製造工程において使用されるものを含みます)
基礎研究用試薬を利用した創薬研究支援
創薬の重要なターゲットとして注目され、研究が進められていることの一つにタンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction, PPI)の評価があります。PPIはシグナル伝達の中核であり、がんをはじめとした幅広い疾患領域に深く関与しています。Fluoppi (Fluorescent based technology detecting Protein-Protein Interactions) は、生きた細胞内のPPIを蛍光タンパク質を用いて可視化する、当社独自の基盤技術です。この技術により、簡便な新薬候補のスクリーニングが可能となり、創薬研究の発展に貢献しています。
また、近年「がん免疫療法」が注目を浴びています。がん免疫療法とはヒトが本来持つ免疫機能を利用してがんと闘う治療法です。がん細胞やウイルス感染細胞を直接攻撃し、排除することができるT細胞は免疫システムの要であり、その動態を観察することは治療効果を評価するうえで重要です。当社の「MHCテトラマー」は、T細胞などの免疫担当細胞を特異的に検出することができる技術です。がん免疫療法だけでなく、感染症研究やワクチン開発などにおいて、免疫モニタリングに欠かすことのできないツールとして有用性を発揮しています。
抗体医薬開発支援
日本で最初の抗体メーカーとして設立された当社にとって、抗体作製技術は基幹技術であり、価値創造の源泉として以下3つの強みを持っています。
- 創業以来の豊富な経験とノウハウ
- 幅広い抗体開発技術と多様なニーズへの対応力
- 抗体医薬シーズの導出実績
また、抗体作製受託サービス事業を1998年に立ち上げ、2016年までの18年間、合計10,000件以上の顧客が要望する抗体の作製を実施してきました。現在は、これらの経験から生まれたノウハウのすべてを集約した精鋭部隊を整備し、自社の製品開発のみならず、顧客が要望する抗体開発にも抗体医薬開発支援としてファージディスプレイ法を主軸とした抗体作製技術を提供します。
CrownBio社 前臨床試験 受託サービス
医薬品の候補となる化合物をお預かりして、薬効評価や毒性試験を実施するサービスです。CrownBio社は、トランスレーショナルリサーチを通じて、創薬研究開発における適切なソリューションを提供するグローバルCRO企業です。特に、患者由来の組織をマウスに移植したPDxモデルは、臨床予測性が非常に高く、2,500を超える豊富なモデルを所有しております。これまでに希少がんを含め30を超えるヒトのがん種における前臨床研究を支援してきました。
また、オルガノイドによる3D培養系を用いた前臨床スクリーニングサービスも行っています。CrownBio社はHubrecht Organoid Technology(HUB)の技術の独占ライセンスを取得しており、世界随一の技術を生かした前臨床での試験サービスを提供します。
さらにCrownBio社では、がんに加え、代謝疾患、炎症性疾患領域など、幅広い疾患領域での薬効評価サービスの提供が可能です。