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株主の皆様へ

代表取締役社長

ご挨拶

 株主の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 第50期の事業報告を行うにあたり、ご挨拶申し上げます。
 中期経営計画で掲げています診断薬事業への選択と集中の経営方針が、3年目となりました当期で、実を結びつつあります。
 第51期以降は、業績をV字回復させ安定的な収益構造を構築すると共に、中長期的には中国事業の拡大、グローバルニッチな先端診断薬製品の拡充、コンパニオン診断薬の受託サービスなど新規事業への積極的な投資を継続して参ります。
 今後とも尚一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

実績と業績について

 当期業績は、売上高が増収となり、売上総利益、営業利益、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。過去3年間で実行してきた診断薬事業への選択と集中の経営方針が実を結びつつありますが、業績をV字回復させ安定的な収益構造を構築していくには、尚一層の経営努力が必要です。今後とも、短中期的には国内市場の堅持と中国事業の拡大に努めながら、長期的にはグローバルニッチな先端診断薬製品の拡充やコンパニオン診断薬の受託サービスなど新規事業への積極的な投資を継続していきます。
 臨床検査薬事業は、国内市場においては主力の自己免疫疾患検査試薬が堅調に推移したことに加えて、当期に発売した遺伝子検査試薬が売上の大幅増加に寄与しました。また、中国市場においては既存市場での拡販活動に加え、当期から中国子会社が現地メーカー向け診断薬原料の商業生産を開始したことから、企業向けマテリアルの販売が大幅に伸長しました。一方、LSTR事業は、中国におけるデジタルマーケティングによる効果でテトラマー試薬の売上が伸長したものの、国内市場における基礎研究用試薬の売上がアカデミアを中心に低調であったことから、LSTR事業全体の売上高は前期を下回りました。この結果、試薬事業の売上高は前期から11億10百万円の増収となりました。
 投資事業は、売上高は60百万円(前期比増減なし)となりました。
 この結果、売上高は前期から11億10百万円(15.7%)増収の81億82百万円、売上総利益は5億11百万円(12.8%)増益の45億16百万円、営業利益は3億67百万円(304.0%)増益の4億88百万円、経常利益は5億40百万円(4,553.1%)増益の5億52百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億76百万円増益の3億16百万円となりました。

中長期的な成長戦略と現在の事業状況について

 当社グループは、2020年度に向けて先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出できるライフサイエンス企業を目指しています。LSTR事業(基礎研究用試薬)を通じた知見を基に、疾患の発症、早期診断、薬剤選択、有効性・有害事象の評価、治療の予後モニターなど治療と関連したバイオマーカー、更にはコンパニオン診断薬など先端領域での製品開発を推進しています。
 医療の進歩を的確にとらえて、いち早く先端診断分野で製品を上市していくためには、自前主義だけでは、その達成が困難になってきています。アカデミアとの共同研究による製品開発シーズへのアクセスだけでなく、異業種企業との提携による当社技術とシナジーのある新規事業・サービス、オープン・イノベーションへの参画など、社外との戦略的連携が必要と認識しています。
 中期的な事業戦略に関しては「国内市場堅持」「中国事業強化」、長期的には「新規事業創出」を掲げています。

中長期的事業戦略

「国内市場の堅持」
 国内では、自己免疫疾患やがん領域の臨床検査薬市場に引き続き注力していきます。自己免疫疾患やがん領域において自己抗体や抗原を検出する免疫・血清学検査試薬(MESACUP™シリーズ、ステイシアMEBLux™シリーズ)を柱として企業成長を遂げてきました。国内では長年にわたり製品の品質や信頼によって競合製品群から市場を堅守してきましたが、競合他社との価格競争が厳しくなっております。この様な状況下、当社は、この免疫・血清学検査試薬を発展あるいは変革させ、差別化された製品の開発と上市、新規な事業あるいはサービスを創出することが重要課題と認識しています。
 遺伝子検査試薬は免疫・血清学検査試薬に続く第2の柱として製品群を発売してきました。既存の遺伝子検査製品に加え、がん関連及び感染症関連の新たな診断項目の開発によって製品群を充実させ、事業を成長させます。

「中国事業の強化」
 中国では、当社子会社である北京博尔迈生物技术有限公司(MBLB)が基礎研究用試薬やJSRの企業向けマテリアルを販売しています。中国検査薬市場での事業拡大を図るべく、中国市場のニーズに合った新製品の迅速な市場投入及び生産コスト低減の実現を目的として、2017年2月に恩碧乐(杭州)生物科技有限公司(MBLH)を設立しました。2018年1月から診断薬の原料の商業生産を開始して、MBLBを通じて中国診断薬メーカーへ販売を開始しました。
 今後は、最終製品の製造や許認可を取得できる体制も構築していきます。現地化によって、製造、許認可、販売まで一貫した機能を持つ診断薬メーカーとして、中国事業の拡大を図ります。
 また、広大な国土と急速なデジタル化が進む中国市場の特性を勘案して、デジタルマーケティングを市場ニーズの把握、学術、販売促進の有効なツールとして活用していきます。

診断薬製品のバリュー・プロセス

「新規事業の創出」
1)免疫システムを利用した創薬事業への展開
 疾患と関連した研究用試薬を上市して臨床医や疾病研究者に評価していただくことで、将来の臨床検査薬に繋げることを企図しています。特に、疾患の発症、早期診断、薬剤選択、有効性・有害事象の評価、治療の予後モニターなど治療と関連したコンパニオン診断薬などの個別化医療や精密医療に注力した製品開発を推進します。
 MHCテトラマーは抗原特異的細胞傷害性T細胞の免疫機能をモニタリングするLSTR製品です。国内では10年以上にわたり技術開発を続け、基礎研究分野に製品を提供してまいりました。今後、米国関連会社のMBL International Corporationと共に当該領域のグローバルトップメーカーを目指し、免疫療法のバイオマーカーなどの新規用途も開拓していく計画です。

2)コンパニオン診断薬の開発受託サービス
 当社は、コンパニオン診断薬の開発受託業務を、2019年2月25日付で開始しました。これまでも患者さんの治療に貢献する体外診断用医薬品を製薬企業や臨床医と連携し、上市してきました。本開発受託サービスでは、当社と共にグループ企業であるG&Gサイエンス株式会社、株式会社新組織科学研究所、株式会社聖路加医学生物学研究所が培ってきた技術・ノウハウ、製品開発力、薬事申請能力を活かして新規事業を構築します。抗がん剤などでは承認申請時にコンパニオン診断薬の同時申請が望まれていることから、製薬企業やバイオベンチャーとの協業機会が増えることで、本サービスが発展することを期待しています。

3)新規事業シーズの創出
 JSRが学校法人慶應義塾大学と共同で設立したJSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター(JKiC)が2017年10月に開所されました。当社はJSRグループのライフサイエンス事業の中核企業として、共同研究計画策定への参画やJKiCへの人員派遣によって、研究と事業の創出にコミットします。

2019年6月

>> PDF版 50期 事業報告書はこちら

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