ファージディスプレイ法
モノクローナル抗体作製の流れ
当社のファージディスプレイ法は繊維状ファージに抗体(scFv型、Fab型)を提示させ、目的の分子(抗原)に結合する抗体を取得する方法です。この方法は、膨大な種類の抗体を含んだ抗体ライブラリーが構築できるため、非常に希少で結合力の高い抗体を、迅速かつ効率的に取得できます。
- 親和性、特異性が高い抗体の取得が可能!
- 抗イディオタイプ抗体、一点変異抗体、複数膜貫通型タンパク質抗体等の取得実績!
- 日本国内で実施し、柔軟な対応が可能!
ファージディスプレイ法によるモノクローナル抗体作製受託工程
ファージディスプレイ法による抗体多様性の保持
ハイブリドーマ法では、モノクローナル抗体の作製に繁用されているマウスであっても脾臓やリンパ節から単離したB細胞と融合パートナー細胞との融合率は0.001%以下であり、これは1個体のB細胞のうち評価している細胞はたった数百クローンに過ぎないことを意味します。一方、ファージディスプレイ法では、脾臓やリンパ節などから単離したB細胞の多様性を保持した抗体ライブラリーを遺伝子工学的に作製することができ、このライブラリーを使用して抗体をスクリーニングするため、生体内で成熟した抗体を取りこぼすことなく評価することができます。
ファージとは、特定の細菌に感染するウイルスのことです。抗体ファージは、繊維状ファージ上に抗原結合能を持った抗体断片(scFv型、 Fab型)を提示し、ファージ内には、提示された抗体の遺伝子が含まれます。様々な分子に対して結合する抗体ファージ集団から目的の分子(抗原)に対する特異抗体ファージを選択することにより、その抗体遺伝子も同時に取得することができます。また、取得した抗体遺伝子から、抗体断片(scFv、Fab型抗体)、IgG タンパク質等を作製することができます。
サービスフロー
- お客様提供の抗原以外に、当社で抗原調製から承ることも可能です。
- 脾臓等のリンパ球から無駄なく抗体ファージライブラリーを作製します。
- ライブラリーのスケールは108以上を達成しています。
- 抗体遺伝子の解析が迅速に行えます。
- 費用はステップ毎のお支払いとなります。また、お客様との協議もしくはご判断にて、次のステップへ進めます。
- 作業は日本国内で実施していますので、柔軟な対応が可能です。
- 様々な動物種で抗体作製が可能です。
納品物概要
標準的なサービス納品物
| step | 作業名 | 作業内容 | 納期(か月) | 納品物 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 免疫作業 | 2(マウス、ラット) 2.5(ニワトリ) 3(ウサギ、完全ヒト抗体産生マウス、アルパカ) |
ポリクローナル抗体) |
|
| 2 | 抗体ライブラリー作製 スクリーニング |
2 | ||
| 3 | IgG抗体作製 (最大4クローン) |
2.5 | ||
| 合計 | 6.5~7.5 |
ライブラリー作製およびスクリーニング(抗体遺伝子配列情報の提供)までの提供となります。
留意事項
- 動物の体調管理には十分配慮しておりますが、稀に免疫によるストレス等により動物が死亡する可能性がありますのでご了承ください。
- その他予測不能の事態が起きた場合は、ご相談させていただきます。
- 本サービスの作業は、遺伝子合成、ペプチド合成の一部を除き、すべて国内で実施します。
- 遺伝子合成、シークエンス解析、ペプチド合成は外部委託します。
注文方法
ご注文からプロジェクトキックオフまで、経験豊富な担当者及び技術者がご支援します。まずはお問い合わせ下さい。