アフィニティーマチュレーション

ファージディスプレイ法を使用した抗体の親和性向上
~アフィニティーマチュレーション~

機能抗体を取得できたにもかかわらず、その親和性が低いために目的のアプリケーションには適用できない場合があります。そのような場合、抗体の性質(抗原結合部位および機能)を大きく変えることなく親和性を向上させる技術の使用が有効です。また、抗体医薬や体内診断薬分野においてマウス抗体のヒト化が行われていますが、ヒト化することにより抗体の親和性が低下する場合があります。このような場合にも本技術の使用が有効です。

一回膜貫通タンパク質(EGF Receptor)に対する抗体のaffinity maturation(Biacoreデータ)
技術基盤
Error-Prone PCR
VH と VL へランダムに point mutation を導入する方法を確立
親和性が向上したクローンの選択 (screening)
多様な抗原(GPCR や糖鎖など)に対応可能な独自の screening 法
独自のシミュレーション法による screening 条件(抗原濃度や抗体濃度、反応時間など)の決定

ケーススタディ

当社のヒト抗体ライブラリーから単離した抗EGFR抗体(scFv)はKD=2.5×10-10と高親和性でしたが、アフィニティーマチュレーション実施後、さらに親和性が20倍以上向上したクローンを複数取得することができました。
7回膜貫通型タンパク質であるGPCRや糖鎖に対する抗体の親和性の向上にも成功しています。糖鎖抗体の親和性向上の一例では、非常に低い親和性の抗体(KD=6.7×10-5)をKD=1.4×10-7へと500倍以上の親和性向上に成功しています。

成功例(6/6例)
応用例
  • 検出用抗体の親和性を向上させることで、検出感度を高める
  • 非ヒト由来抗体をヒト型化した際に低下した親和性を回復させる
  • 親和性を向上させることで、抗体が有する生理機能(阻害活性など)を高める

サービスフロー

  • アフィニティーマチュレーションとは、親和性が低い抗体について、既存の抗体配列を元にして親和性を向上させる方法です。
  • 抗原認識部位の変化が小さく、オリジナル抗体の特徴を有したまま親和性を向上させることが可能です。
サービスフロー

納品物概要

標準的なサービス納品物

step 作業名 作業内容 納期(か月) 納品物
1 お客様サンプル受け入れ検討 可変領域解析、
コンストラクト検討、
活性確認
ご相談  
2 Affinity Maturation用ライブラリー作製 & スクリーニング 抗体ファージライブラリー作製、
ファージパニング、scFvバインダー候補上清の調製、
親和性解析 48サンプル
2.5 作業報告書、scFv遺伝子情報
3 IgG抗体作製 4クローン Transient 発現細胞の培養、抗体精製 3 作業報告書(SDS-PAGE結果)、精製抗体
合計     5.5~  

注文方法

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