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ヒトフュージョンパートナーSPYMEG

SPYMEGと抗体産生細胞の融合による完全ヒト抗体産生細胞の作成MBL は、奥羽大学薬学部 教授 山本正雅先生と共同で、ヒトフュージョンパートナー細胞(SPYMEG)を開発しました。ヒトの血液から単離した抗体産生細胞とSPYMEGを融合させ、 高効率かつ安定的に完全ヒト抗体産生ハイブリドーマを取得できます。SPYMEGを用いた完全ヒト抗体産生ハイブリドーマの取得効率は、これまで報告されてきた、どのヒトフュージョンパートナー細胞を使った場合よりも、はるかに優れています。これまでの共同研究で、インフルエンザA型H3N2サブタイプまたはインフルエンザB型で、20年近く前から保存されてきたウイルス株に対して中和活性を有するヒトモノクローナル抗体の単離に成功しました。この抗体は 40年前から保存されている株に対しても中和活性を示すことが確認されました1)
また、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)2) の「デング感染症等治療製剤研究開発プロジェクト」3) 4) と独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「抗デング出血熱・治療用ヒト抗体候補の動物試験での有効性評価」に参画し、タイ王国への技術支援活動を行い、インフルエンザウイルス、デングウイルス、ボツリヌス毒素に対する治療用抗体候補を開発しました。5) 6) 7)

デングウイルスは、4つの異なる型(DENV-1~4)があり、ある型に感染すると、通常その型に対して自己防御機能(免疫能)を獲得しますが、異なる型に対する免疫能は獲得することができず、再感染の際には、重症化する頻度が高まることが報告されています。
MBLは、両プロジェクトにおいて、デングウイルスに2回目の感染を受けた患者の急性期の血液中の末梢血単核球(デングウイルスに対する抗体を産生)と SPYMEGを材料に、数十種類の完全ヒト型抗デングウイルス抗体の開発に成功しました。これら抗体は、デングウイルス4つの型すべてに対して顕著に中和活性を有することが、ウイルス中和試験及び動物試験において確認されております。この結果から、初期感染の治療はもちろん、再感染時においても効果を発揮することが期待されます。本抗体医薬シーズは、国内外問わず、製薬会社への導出及び提携により、臨床試験、承認申請・許認可を進め、早期の製剤化を計画しています。
本抗体医薬シーズは、熱帯・亜熱帯地域諸国ばかりでなく、今後の温暖化による影響を受ける可能性のある各国への波及効果も大きいと考えております 。

当社では、SPYMEGをヒトモノクローナル抗体を単離する有効なツールとして、多くの研究者に広めるべく、ライセンス事業を開始しました。特にウイルス感染症においては、有効な抗体医薬の開発ツールとして罹患した未発症あるいは回復期の患者の抗体産生細胞からヒト中和抗体を確立、治療に役立てることができます。このことは、エボラ出血熱等、さまざまな難治療性感染症への応用が可能です。また、 中和抗体の解析によって得られる情報は感染症の機序の解明や新たな予防法、治療法の開発に繋がることが期待されます。

1) Kubota-Koketsu, R. et al. Broad neutralizing human monoclonal antibodies against influenza virus from vaccinated healthy donors. Biochem Biophys Res Commun. 387:180-185, 2009 (PubMed: 19580789)
2) http://www.jst.go.jp/global/
3) http://www.jst.go.jp/global/kadai/h2011_thailand.html
4) http://www.jica.go.jp/project/thailand/004/index.html
5) Yasugi M, Kubota-Koketsu R, et al. Human monoclonal antibodies broadly neutralizing against influenza B virus. PLoS Pathogen 9: e1003150, 2013 (PubMed: 23408886
6) Setthapramote C, Sasaki T, et al. Human monoclonal antibodies to neutralize all dengue virus serotypes using lymphocytes from patients at acute phase of the secondary infection. Biochem Biophys Res Commun. 423: 867-872, 2012 (PubMed: 22713454)
7) Sasaki T, Setthapramote C, et al. Dengue virus neutralization and antibody-dependent enhancement activities of human monoclonal antibodies derived from dengue patients at acute phase of secondary infection. Antiviral Research 98: 423-431, 2013, (PubMed: 23545366)

>>>関連プレスリリース:
完全ヒト型 抗デングウイルス抗体の治療薬開発について

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