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株主の皆様へ

代表取締役社長

 株主の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 第49期事業の報告を行うにあたり、ご挨拶申し上げます。
 中期経営計画の2年目となりました当期は選択集中すべき事業と地域を明確にしました。
 第50期以降も業績のV字回復に向けて中長期の施策を実行中です。当社が開発する免疫血清検査や遺伝子診断検査が、疾患やその重症度を診断して患者様や臨床の先生方に最適な治療法や予防法の選択に役立つことを目指しています。
 今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 第49期業績は、売上高が減収、売上総利益、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益が減益となる一方で、営業利益は増益となりました。第48期に続き、営業利益、経常利益ともに黒字の結果でしたが、業績をV字回復させ安定的な収益構造の構築には、尚一層の経営努力が必要です。短中期的には国内事業の堅持と中国事業の拡大に努めながら、長期的にはグローバルニッチな先端診断薬製品の拡大に向けた事業の芽への積極的な投資も継続していきます。
 臨床検査薬事業のうち、がん関連検査試薬は、多発性骨髄腫などの診断補助検査試薬である「FREELITE」、大腸がん治療薬 抗EGFR抗体薬の投薬前検査試薬「MEBGEN™ RASKET キット」の売上が引き続き伸長しました。また、血漿蛋白定量試薬は、改良した免疫グロブリンIgG4検査試薬の売上が大幅に伸長しました。その一方で、主力の自己免疫疾患検査試薬は、国内市場で皮膚筋炎の診断補助に有用な製品群の売上が伸長したものの、従来連結子会社であった米国MBL International Corporation(MBLI)が非連結化となった影響などにより減収となりました。臨床検査薬分野の売上高は、第48期より1億94百万円(4.5%)減収の40億99百万円となりました。
 基礎研究用試薬分野は、国内企業向けの製品売上高が伸長し、中国市場においてJSR製品売上が大幅に増加しました。その一方で、引き続き国内アカデミアにおける基礎研究用試薬の購買力沈滞化、一部製品や総合受託サービスの取り扱い中止、MBLIの非連結化による影響などがありました。その結果、基礎研究用試薬分野の売上高は、第48期より16百万円(1.0%)減収の16億97百万円となりました。
 婦人科関連検査試薬分野の売上高は、子宮頸がんの原因ウイルスとされるヒトパピローマウイルスの高リスク遺伝子型タイピング試薬「MEBGEN™ HPVキット」及び関連する細胞診検査用試薬の売上が増加、製造受託の売上高は当初計画より僅かな減収となりました。
 この結果、売上高は第48期から2億76百万円(3.8%)減収の70億72百万円となったものの、営業利益は35百万円(42.0%)増益の1億20百万円、経常利益は52百万円減益の11百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は2億48百万円減益の59百万円の損失となりました。

 当社グループの成長戦略は、先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出できるライフサイエンス企業を目指すことです。病気の発症、早期診断、薬剤選択、有効性・有害事象の評価、治療の予後モニターなど治療と関連したバイオマーカー、更にはコンパニオン診断薬などの先端診断薬を開発、承認、発売していきます。

 中期戦略として、日本国内で自己免疫疾患やがん領域の診断薬市場を堅持していくこと、及び中国市場でLSTR製品、診断薬原料や中間体、診断薬の事業を拡大していくことです。そして、2020年度に向けて利益体質の会社としていきます。
 当社は自己免疫疾患やがん領域において自己抗体検査薬(MESACUP™シリーズ、ステイシアMEBLux™シリーズ)を事業の柱として企業成長を遂げてきました。国内では長年にわたり製品の品質や信頼によって競合製品群から市場を堅守していますが、今後も、競合他社との価格競争により事業の維持が激化していきます。日本国内の中期施策として、当社は自己抗体事業を発展あるいは変革させ、差別化された製品開発と上市、新規の事業あるいはサービスを創出していきます。遺伝子検査薬は自己抗体検査薬に続く第2の柱として製品群を発売してきましたが、がん関連及び感染症関連の新たな診断項目の開発によって製品群を充実させ、国内診断薬事業を成長させます。第50期は「ステイシアMEBLux™テスト anti-p53」、「MEBGEN RASKET™-B キット」、「MEBRIGHT NUDT15 キット」など新製品を上市予定です。
 中国では、子会社である北京博尔迈生物技有限公司が基礎研究用試薬やJSR製品を中国市場で販売しています。中期施策として、中国検査薬市場での本格的な事業拡大を図るべく、中国市場のニーズに合った新製品の迅速な市場投入及び生産コスト低減の実現を目的として、2017年2月に恩碧(杭州)生物科技有限公司を設立しました。2018年初から診断薬の中間体・原料の商業生産を開始して、北京博尔迈生物技有限公司から中国診断薬メーカーへ販売しています。また広大な国土と急速なデジタル化が進む中国市場の特性を案して、デジタルマーケティングを市場ニーズ、学術、販売促進、販売の有効なツールとして活用していきます。

 長期戦略としては、免疫学の知見・技術を利用した免疫モニタリング検査や高度な研究・治験受託サービスなどの新たな受託事業を創出していきます。
 当社ではMHCテトラマー技術により抗原特異的細胞傷害性T細胞の免疫機能をモニタリングするLSTR製品開発が可能です。国内では10年以上にわたり技術開発を続け、基礎研究分野に製品を提供してまいりました。2013年5月より米国関連会社BION Enterprises, Ltd.でも製造し、米国と欧州市場でも販売を開始して以来、売上が順調に伸長しています。今後はグローバル・トップメーカーを目指すと共に、免疫療法のバイオマーカー、コンパニオン診断薬などの個別医療や精密医療に注力した新規製品も開拓していく計画です。
 当社は聖路加財団との合弁により、株式会社聖路加医学生物学研究所を設立しました(2018年1月)。目的は、自己免疫疾患やがんの領域で精密医療を実現する最先端の臨床検査や高度の研究・治験を提供することです。聖路加国際病院が保有する国際的にも通用する医療環境、豊富な臨床データや治験・臨床研究のノウハウを活用して、自己免疫疾患やがんの領域で精密医療を実現する最先端の臨床検査や高度な研究・治験サービスを開始してまいります。近々、CLIA/CAPラボ登録をする計画です。それにより、FDA(米国食品医薬品局)にもデータを提供できる品質水準で、国際治験や多施設共同研究などの試験が実施できることになります。
 JSRが学校法人慶應義塾大学と共同で設立したJSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター(JKiC)が2017年10月に開所しました。当社はJSRグループのライフサイエンス事業の中核企業として、共同研究計画策定への参画やJKiCへの人員派遣によって、研究と事業の創造にコミットしています。

2018年6月

>> PDF版 49期 事業報告書はこちら

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