株式会社 医学生物学研究所



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株主のみなさまへ

代表取締役社長
代表取締役社長 山田公政

  株主の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
 このたびの熊本地震により、被災されました皆様には心からお見舞い申しあげます。
 さて、当社第47期事業の報告を行うにあたり、ご挨拶申し上げます。
新経営陣でライフサイエンス分野に役立つ製品やサービスを提供することで社会の発展に貢献してまいりますので、今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 試薬事業の主な実績は臨床検査薬分野では、主力の自己免疫疾患検査試薬が国内市場で測定機器と試薬「ステイシアMEBLux™ テスト」の戦略的な一体販売などによる市場拡大、がん関連検査試薬においては2015年4月1日付で保険適用となった大腸がん治療の抗体医薬の有効性を投与前に予測する試薬「MEBGEN™ RASKET キット」の売上貢献、血漿蛋白定量試薬では2015年3月に保険適用となった「IgGサブクラスBS-NIA IgG2」の売上貢献により、売上高は前連結会計年度より2億5百万円(4.8%)増収の44億59百万円となりました。
 基礎研究用試薬分野では、がんなどの免疫細胞治療で重要な役割を果たす抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)等の検出試薬「MHCテトラマー」の販売が国内外で非常に好調であったことやオリゴ核酸合成受託や次世代シークエンサー解析と情報処理サービスなどが貢献し、売上高は前連結会計年度より1億53百万円(6.8%)増収の24億19百万円となりました。
 この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高が前連結会計年度より4億45百万円(5.9%)増収の80億56百万円となりましたが、営業損益は前連結会計年度から4億71百万円増益となったものの、3億68百万円の損失となりました。株主の皆様には3期連続で大変ご心配をお掛けすることとなり誠に申し訳ございません。

 国内の臨床検査薬市場は医療費抑制政策の推進や海外企業の参入による価格競争激化など経営環境は一段と厳しさを増しております。一方で昨今、個別化医療や精密医療の発展により、遺伝的要因、食・環境・ライフスタイルなどの獲得的要因、及び病歴・治療歴を考慮した患者様個々に最良の治療が最適なタイミングで施行されつつあります。今後、かかる治療法の選択とその施行時期を診断できる臨床検査薬の重要性が高まっています。
 当社グループは新経営体制の下で中期経営計画を策定し、2020年度のありたい姿を“先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出する”としました。幅広く展開しておりました「基礎研究用試薬事業」はライフサイエンス・トランスレーショナルリサーチ(Life Science Translational Research: LSTR)事業へ再編して、今後は疾病と関連した研究用試薬(LSTR製品)を上市してまいります。これらLSTR製品群から将来の臨床検査薬を開発する方針とし、臨床検査薬事業に選択と集中する事業戦略としました。当社グループでは、長年にわたり蓄積してきた免疫学的技術を治療法にも応用発展させてきました。液性免疫学的方法を利用した治療用抗体の創製、細胞性免疫学的手法を応用したCTLによる細胞治療やがんペプチド・ワクチンです。これら研究開発プロジェクトは治療支援事業として、製薬企業への知財や技術・ノウハウの導出によってパートナーからのライセンスやロイヤリティーの収入を期待しています。
 2014年10月には東大医科学研究所に社会連携研究部門『システム・イムノロジー』を開設しました。将来の個別医療や精密医療に関連した臨床検査薬や治療支援事業のシーズとして実らせてまいります。


 当社グループは、2015年10月2日付でJSR株式会社(JSR)の連結子会社となりました。JSRと当社の両グループが有する米国、欧州、中国でグローバル拠点間における営業の協業により世界での売上増から新製品開発、薬事規制対応、マーケティング、事業開発へとライフサイエンス事業の全方位で強固な事業体制を構築する予定です。その第一歩として当社米国子会社であるMBL International Corporationは、当社とJSR株式会社の子会社であるJSR Micro, Inc.から出資を受けて2016年4月1日より当社とJSR Micro, Inc.との共同経営となりました。

 当期は3期連続赤字の結果となりました。単体は営業利益の黒字化が達成できましたが、現状は経営不振から脱出の途上です。より一層の製造原価の低減と経費の効率的な使途に努めながら、次期は連結決算の黒字化を最大の目標にします。一方で、将来の事業拡大に向けた設備や事業の芽への投資も継続していきます。
 当社グループは、“先端診断分野で存在感のあるグローバルニッチ企業として価値を創出する”ため、先端検査薬分野や新規事業への挑戦を続けます。当社の技術や製品群とシナジーある先端インフォーメーション技術及びビジネス・モデルなど当社の事業価値を高めるための戦略的な提携も含めた研究開発及び事業への投資を行います。
 先端診断分野への選択と集中を指向した効率的な資金投下を実行して、2020年度には売上高120億円、売上高営業利益率10%以上を目指します。

※ MBL International Corporationの業績予想を含む目標額です。

2016年6月

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