株主のみなさまへ
株主の皆さまにおかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
当社第42期事業のご報告を行うにあたり、ご挨拶申し上げます。
本年3月11日の東日本大震災では、株主の皆様の中にも被災された方がおられるかと存じます。あまりにも甚大な被害の規模で、お見舞の言葉も見つかりません。今後、長期間にわたって全国民を挙げての復興努力がなされていくかと存じます。当社と致しましても、何が可能なのかを考え、最大限の支援を続ける所存でおります。一刻も早く皆様が生活基盤を再建されることを強く願っております。
東日本大震災は、地震・津波による被害のみならず、その後の原子力発電所における事故により、これまでの我々の生活が脆弱な基盤の上に成り立っていたことを顕在化させました。当社グループの中で、遺伝子検査試薬を担っているG&Gサイエンス株式会社は福島市にあり、福島第一原子力発電所から約60kmの距離に位置しております。若い人たちによって支えられている企業であり、原発事故の今後の推移によっては会社の一時移転などを検討する可能性があります。東日本大震災の影響はさらに多方面に及ぶことが想定され、その解決は容易ではありませんが、産学官が協力して迅速な対処が望まれるところです。当社も、改めてリスク対策を強化し、不測の事態に対しても事業基盤を損なうことがないよう研究・開発拠点、製造拠点など柔構造を準備する考えであります。
一方、世界経済では、先進諸国は、とりわけ日本経済が復調のきっかけをつかめず、隣国、中国のGDPが日本を追い越して世界第二位となる等、これまでのような先進国を中心とする世界経済秩序が大きく変化しております。当社にあっては、日欧米の先進諸国を中心とした枠組みのみならず、視野を世界に広げた企業活動、従来とは区別された企業活動が求められていると考えております。
このような状況の中、第42期の当社単体売上は54億58百万円となり、前期に比して2億50百万円、4.8%増の業績となり、営業利益3億25百万円を計上致しました。第40期に発売中止となった細胞診試薬の自社開発製品の投入、不妊治療関連検査であるAMH測定試薬等婦人科領域での売上増、新たに保険適用された血中免疫グロブリンIgG4測定試薬や腫瘍マーカーの抗p53抗体測定試薬の売上増が貢献致しました。また、期中には、5項目の体外診断薬が新規承認を得て発売を開始しました。特にグループ企業であるG&Gサイエンス株式会社が開発したMEBGEN KRAS遺伝子検出キットは大腸がんを対象とした治療薬投与を決めるコンパニオン検査薬で、日本で初めて保険適用を受けたものです。当社といたしまして、今後の売上を牽引するものと期待している製品です。
連結売上においては、グループ企業の成長の結果、売上62億50百万円、前年比2.6%増となり、営業利益3億95百万円となりました。
一方、当社グループでは、自社で定めたルールに従って関連会社について将来の収益性を考慮した財務面や貸付金、在庫の評価を実施しております。当期は、米国子会社MBL International Corporationにおける事業再編損(2億3百万円)及び為替差損(1億1百万円)があり、また、研究開発型のグループ企業においても財務面では引き続き厳しい状況下にあることから、特別損失を計上することに致しました。これらを合算しました結果、当期純損失は1億12百万円となりました。株主の皆様には多大なご迷惑をおかけ致しますこと深くお詫び申し上げます。
特別損失を計上する一方で、当期の当社グループは、グループ企業の高度な技術が、受託事業として大きく成長しましたことに加え、グループ企業が開発した製品が先端的な検査薬として臨床の場への応用が開始されました。グループ企業としての成果が確実に表現されつつあります。
平成24年3月期は東日本大震災の影響を受け、市場環境が不透明であることから保守的な売上計画としておりますが、市場の動きを注視しつつ売上の最大化を目指します。また、リスクを機会ととらえて、リスクに耐えうる企業体質の構築を進めると共に、当社グループの技術を結集し、これまでに構築してきた海外拠点を軸にして、新たな体制でグローバル市場を拓く所存であります。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。
平成23年6月
